diary

 

ふと、小学生のときの親友のことを思い出した

 

わたしはその子のことが大好きだった。

可愛くて愛想が良く、だからといって媚びすぎずはっきりとした性格で、わたしにはないものをたくさん持っていた。

わたしはその親友が好きなものを全部好きになった。あの頃は意識してそうしていたわけではないけれど、好きな人間が好きなものを自分も好きになりたいという気持ちだったのだと思う。

でも今考えると、それらを本当に好きだったとは言えない。だからと言って好きでもないのに好きなフリをしていたわけではなくて、当時は完全に好きだと思い込んでいた。おそらくその「好き」なものを通して親友と共有する時間がなにより楽しくて、そういう気持ちとそのものに対する気持ちが重なっていたのかもしれない。

わたしは当時から独占欲や嫉妬心が強かった。「自分だけ」という特別感がほしかった。そういうことで何度も悩んでみた。嫉妬は誰でもする。大切な人を独り占めしたいなんて、無理だとわかっていてもちょっとはみんな思うんじゃないかな。なんでも極端なことはマイナスになることが多くて、嫉妬なんてかなり人間味のあることだと思うけれど、度がすぎると醜いとされてしまうものだ。バランスが難しい。人生においてバランス、つりあい、調和、といったものは大事とされている。バランスの良い食生活、つりあいのとれた人間関係、自然との調和。そんな言葉がありふれている。特にそんなことを否定したいわけではないのだが。

 

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