いつか忘れてしまうのかな
何度ふられても好きな人のことばかり考えている女の話です
忘れられない人、忘れられない思い出、忘れてしまいたいこと、忘れたくないこと、
いろんなこと、たくさん抱えていても
みんな平気な顔で過ごしている
本当に自分以外の人それぞれの人生があるのか、不思議に思うことがときどきある。それぞれ幸せの絶頂にいたり悲しみの底にいたり、朝食はパン派だったり米派だったり、大切な誰かが居たりいなかったり。みなさんは今どんな人生を送っていますか。平気なふりをして生きていますか。元気ですか。
わたしには大切に思っている人がいる。一つ年上の先輩。きっかけは覚えていないけれど、知り合って半年くらい過ぎてから親しくするようになってそこから加速度的に仲良くなっていった。お互い人見知りだから仲良くなれたんだと言われたことがあった。友達もそんなに多くなくて人見知りで話すのが上手ではないけれど親しくなるとよくしゃべるところ、二人の似ているところだなと思う。
お世辞にも性格が良いとは言い難い。いじわるだし短気だし一途じゃないし振り回すし、対するわたしは頑固で意地っ張りだから喧嘩をよくした。ムカつくことばっかりでイライラすることが多かったけれど、それでも嫌いにはならなかった。すぐ仲直りしてまた喧嘩した。
そんな人だけど、自分以外のことも真剣に考えてくれるところがある。わたしが落ち込んでいて話を聞いてもらうときは、わたしを信じてくれていることが伝わってくるような言葉をくれる。わたしに不安なことがあるときは、「今度調べておいてあげるね」なんて優しいことを言ってくれた。
わたしは、わたしは、
きみに何かしてあげられているだろうか
お互いに忙しくて大事な時期、心が弱っていて感情の起伏が激しい時期に、「きみの味方だよ」と言ってくれたこと。「わたしもきみの味方だ」と伝えたこと。今人生の中で大事な局面に差し掛かっているわたしの心を強く支える力になっている。それでも崩れ落ちそうなときがある。無形のものを信じて生きていくこと、それができたら本当に強くなれるのかな。強くないからこそ縋るものだろうけれど。形あるもの、明確でわかりやすいものしか信じられないと思うことが多いけれど、形のないものこそ信じていたい。信じる価値があると思う。
「わたしはきみの味方だよ」
"僕は君を信じたからもう裏切られることはない
だってもし裏切られてもそれがわからないから
どうか君じゃなくならないで"
飴玉の唄/BUMP OF CHICKEN